以下、ネタバレなので未読の方はご了承下さい。
作中作である「グラン・ギニョール城」と本作「グラン・ギニョール城」、虚と実が徐々に交錯し、ついにはシームレスにつながっていくところは圧巻。しかも、もちろんファンタジーではなく、現実的に無理のない(とはいうものの、わりと力業というか強引な展開ではあるが)形での融合なため違和感なく読み進められる。若干、内輪ネタが多いらしい(というのも、自分はそのネタを理解できないので、そもそもネタなんだか判断できない。そもそもディスクン・カーに「グラン・ギニョール」っていう作品があることすら知らなかった。多いっていうのは Google 先生に教えてもらったことの受け売り。)が、作中作に関しては個人的に考える「洋風ミステリー」風味がよく出ており楽しめたと思う。そういう意味でいわゆる「メタ・ミステリ」テイストとか物語の構成とか、そういうシステム的なところはすごく刺激的だった。
一方、物語そのもの、つまり動機とかトリックとかそういう内容に関してはイマイチ理解できない、納得できないところも多い。簡単に事実をまとめてみる。
| 被害者 | 作中作の犯人 | 作中の犯人 |
|---|---|---|
| ヤロスラフスキー伯爵 | クニー (= 日下邦彦) | (出てこない) |
| フレデリック・ロートヴァング | 事故 (若干 クニー = 日下邦彦 の責任) | (出てこない) |
| ロートヴァング男爵 | 心労 (ヤロスラフスキー、ホッホマイヤー、ブレイスが間接的に) | (出てこない) |
| アンリ・ランジュラン大尉 | (恐らくブレイス大佐、ホッホマイヤー博士、ロートヴァング男爵、ヤロスラフスキー伯爵) | (出てこない) |
| レオン・フィンレイ | (死んでない) | (死んでない) |
| シド・ソーンヒル | 事故 | 日下邦彦 |
| Z・ホッホマイヤー博士 | チャン・スー・リン (クニー = 日下邦彦) | 日下邦彦 |
| チャン・スー・リン | クニー (= 日下邦彦)(本当の被害者はスタンリー・マローワン) | 日下邦彦 (本当の被害者は勝川竜太) |
個人的になんか釈然としない部分
- 文庫 P.183 「答えはしたものの、彼はそのときある記憶が心に引っかかっていた。その記憶とは、<ヒューマンカスペル>なる事務所を訪ねた際に、あのビルで見たあるものだった。そう、あれは確か…。」という伏線。(公演のポスターのことかな?)
- 作中作の中でクニーはブレイス大佐を殺さないでいいの?
- ホッホマイヤー博士が甲冑を背負ってるけど、背負ってちゃ盾にはならなくない?
- ホッホマイヤー博士を電磁石で引き付けるって実は大変じゃない?
- チャン・スー・リンとマローワンが入れ替わるっても、衆人環視の中での話じゃないの?そもそもすぐばれない?(「その場の目さえごまか」せなくない?)
- 作中作のクニーはどうして3人(じゃないや。なぜだかブレイスは無視されてるから、ヤロスラフスキーとホッホマイヤーの2人だ。)を殺そうとしたのか?もちろん事故を隠したのは3人だけど、事故は事故でしょ?
- レオン・フィンレイはなんで、もう一度城へ来たの?
- シド・ソーンヒルが事故って、どんだけ危険な部屋なんだよ!
グラン・ギニョール城 (ミステリー・リーグ)
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おすすめ度の平均: 

狙いは成功、トリックは薄目
面白いが、、、
意外な展開に息をのむ
2001年最高のミステリー。
雰囲気たっぷり

