物語は3つの時間・場所・人を軸にしながら進んで行く。探偵のドット、研究者兼宇宙飛行士のジョーとクレイン、そして事故にあった研究者のセンマ。それぞれの立場でそれぞれの謎が展開されていくが、(まぁ、大方の予想通り、というか当たり前だが)物語の終盤に向かってそれぞれの謎がからみあい収束していくことになる。
上にも書いたように横溝正史ミステリ大賞を受賞しているため分類としてはミステリーになるのだろうが、かなりSFテイストが強いためミステリにおける強い制約条件を期待しづらい。つまり、読みながら、「なんでもあり」なのを前提としてしまいやすいため、ミステリとしての整合性を求める気持ちがなくなってしまった。だから、他の書評にも散々書かれているように、これをミステリとして読むと肩透かしをくらうと思う。
一方、これをSF、恋愛小説として読めば、非常によくできた作品じゃないかと思う。プロットは凝ってるし、物語のまとめ方もいい。若干、登場人物に感情移入しにくいところはあるが、それでもさわやかな読後感はなかなかのものだった。
というわけで細かいことにこだわらず、ライトノベル風な読み物としてはなかなか秀逸なんじゃないかと思う。
村崎 友
角川書店
売り上げランキング: 330964
角川書店
売り上げランキング: 330964
おすすめ度の平均: 

読みやすい文体とコンパクトな構成でとてもスマート。
