戦争請負会社

この本で論じられてた問題が早速(っても、本書が書かれた2003年からすでに4年経ってるが)、勃発している。9月16日にブラックウォーター社警備員により民間人17人(11人?)が死亡したことから問題が顕在化した。

民営化された戦争においては、軍人でない「民間警備員」は軍法の対象とはならないが、ではいかに裁かれるべきなのか?(当然、単なる「殺人」で裁かれたら「警備」(= 戦争)なんてできない。)

ブラックウォーター事件メモ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2007/10/post_b359.html

詳細についてはこのエントリが非常によくまとまってる。

- 民間請負作業員は16万人、うち民間警備員は5万人
- 民間軍事請負業者は2005年までに195件の逸脱武力行使に関与
- 2004年の米国法(イラクにいるすべてのアメリカ人の訴追を免除)により、
 民間警備員はイラク法で訴追されない
- 国防総省以外の業務委託者は米国で訴追の対象にならない (?)
 The Military Extraterritorial Jurisdiction Act の拡張で対象にする
 法案が下院を通過

本書では初めに民間軍事請負業者の勃興とその実体を俯瞰し、次に、実際に「警備」を行なう会社(ex. Executive Outcomes)、兵站の設営など戦争遂行の補助を行なう会社(ex. Brown & Root)、コンサルティングや戦略提言などを行
なう会社(ex. MPRI)などに分類し、具体的な例をあげながらそれぞれの実体を記述する。さらに、民間軍事請負業者の興隆により起っている(起こり得る) ジレンマは未定義の問題、軍隊との違いからくる問題など、様々な問題点を指摘している。

戦争請負会社
戦争請負会社
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4 理詰めの議論が導いてくれるところ
4 新しい「民営化」の議論の端緒
5 国際関係論の前提に挑戦するPMF産業の勃興


関連するエントリとしては以下がある。

議会がイラクの民間軍事請負業を調査 (PBS) (2007.02.11)
http://www.asyura.com/07/war88/msg/735.html

民間軍事会社警備員による発砲事件 (2007.08.14)
http://park8.wakwak.com/~spike/news/2007/8/14-1.html

House Acts in Wake of Blackwater Incident (2007.10.05)
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/10/04/AR2007100400282.html

2007.10.10 追記

「傭兵会社」ブラックウォーター:日本でも警備業務
http://wiredvision.jp/news/200710/2007100923.html