連鎖

小役人シリーズ第一弾。

 食品Gメン(正確には食品衛生監視員)というあまり聞き慣れない職業の男が主人公の小説。あるスクープをものにしあ友人とその妻との三角関係を背景としつつ、食品汚染の実体を追跡する主人公。その動機は決して社会正義なんかではなく、あくまで個人的な理由によるもの。そういうところがこの小説のリアリティを高めており、読んでいて共感を誘われるところだろう。
 そして、真相に近づくにしたがって事件は食品汚染ですらも実は隠れみのであったことが少しずつ明されていく。しかし、2者の思惑がいい感じに交錯した結果、目に見える事象が複雑になっており一筋縄では真実には近づけない。そんな幾重にも張られた複線が気持ちよかった。

 しかし「密告」の主人公も、この作品の主人公もソーシャルエンジニアリングが上手だよな。こういう頭の回転の早さが欲しい。

連鎖 (講談社文庫)
連鎖 (講談社文庫)
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真保 裕一
講談社
売り上げランキング: 136769
おすすめ度の平均: 3.5
3 30~40代向け
4 済まない。君の魅力についふらふらとなった
3 緻密な下調べが作品を光らせている
3 小役人シリーズのしょっぱな
3 乱歩賞らしい作品

posted by say · 2008年05月05日 18:04 · memo