魔術はささやく

僕の弱い少年もの。

連続する女性たちの死と、主人公の高校生 日下守がバイトをするデパートでの騒ぎ、父親が起こした事故の真実の追求、この3つが物語の大枠を構成している。

一応、女性たちの死と父親の事故の真実が交差していくところがミステリーとして面白いところなんだろうけど、むしろこの物語は、日下守が真実を知り、自分で決断をしなければならない現実を通して成長していく物語だろう。

「そりゃ、最高の失敗だったよ」
「わかったかい?遺伝を信じろよ。そして、せいぜい命を大事にすることだね」
「君の手で裁くことだ」
彼らに際限のない言い訳を述べ続けさせるかね、坊や?
(守、どんなことにも言い訳を見つけちゃいかん)
「あんたは立派だよ。狂ってるけど立派だよ。あんたは自分が正しいと思ってやったんだろ?僕には何が正しいかもわからないよ。なにもかも知りたくなかった。なにも知らないままでいたかった。ちきしょう、あんたを殺してやれたらどんなにいいだろう!」

ちなみに守の最後の葛藤には、幽遊白書で樹が仙水との出会いを語る場面を思い出した。これらの葛藤は「青の炎」にも通じるものがあり、潔癖に育ってきた少年が現実との折り合いをつけなければいけない、その葛藤なのだろう。これらの割礼を経て人は jaded になっていくのだろうか…。

魔術はささやく (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社
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5 よかった
4 宮部さんらしい作品です。
5 このミス91年 9位
3 ターゲットは何なのか ?
5 おもしろかったです

posted by say · 2008年05月05日 23:47 · memo